ベルリンアクセラレータープログラム 日本のスタートアップが参加できるものを中心に

Photo credit: #AsiaBerlin

Introduction

海外への進出を検討する際は、例えば目指す市場の大きさ、すでにMVPや製品があればプロダクトマーケットフィットなど検討すべきことがある。いち早くそれらの情報をつかみ、的確なアドバイスを受け、必要な人脈を構築するには、現地のアクセラレーターは最適だろう。スタートアップゲノムでも「国際的なエコシステム」としてトップに入るベルリンのアクセラレーターから、日本のスタートアップが参加できるものを4つピックアップした。

INAM AdMaCom: The Advanced Material Competition

The Innovation Network for Advanced Materials (INAM)は、もともと大学や研究機関発のイノベーション支援のために設立された。現在スポンサー企業としてBOSCH、Continental、欧州SONYをはじめとする大手企業が参加し、アクセラレーションやオープンイノベーションプログラムが行われている。Advanced Materialsの範囲は広く、材料・電材・フォトニクス・ハプティックス系など、様々なスタートアップがプログラムに採用されている。メンター陣は、スポンサー企業を始めメンバー以外の企業からはもちろん、VCやベルリンで少し先を走るスタートアップCEOなど幅広い。

今回はコロナの影響でバーチャルプログラムとなる。時差はあるものの、日本に居ながらの参加が可能だ。

Photo credit: INAM

プログラム概要
応募受付: 6月1日ー7月31日
ステージ: 登記からシード。
アクセラレーション期間: 10月5日−16日
アウォード: エクイティ無し。現金での賞金支給有り。
プログラム詳細: https://drive.google.com/file/d/1BHfuk6N6_mpqKAob_snjVjKgPCLd26xV/view

BFF: Berlin Founders Fund

起業家による、起業家のための、エクイティフリーのアクセラレーター「シリコンアレー」のBFF。シリコンアレーは1階がカフェ、その上にオフィスやコワーキングスペース、最上階は起業家向けアパートを備えたエコシステムを運営している。オフィスエリアには地図プロバイダーのHERE、フィンテックのTransferWise、そしてTechstarsなど、その分野の大手スタートアップやVCが入居しており、かれらともネットワーキングできるのが特徴だ。シリコンアレーはワークショップやネットワーキングイベントを多く開催しており、とにかくエコシステムに早く溶け込み、メンターやアドバイザーを見つけ、自分でどんどん開拓していきたいスタートアップにぴったりだ。資金はベルリン市が出していることもあり、応募して採用されれば、ベルリンで登記する必要があるが、その場合はベルリン市の追加サポートを受けることができる。1年間に15社のみ支援するプログラム。海外進出に本気のスタートアップにこそ、早速トライしてぜひその15社の中に入って欲しい。

Photo credit: Sillicon Allee

プログラム概要
応募受付: 時期を問わず受付。1年間に15社まで支援。
ステージ: プレシード。MVPがあることが望ましい。
アクセラレーション期間: スタートから1年間。
アウォード: エクイティ無し。€24,000。
プログラム詳細: https://www.siliconallee.com/bff/

The Drivery Corona Buster Program

The Driveryはヨーロッパ最大のモビリティに特化したコワーキングスペースだ。10,000m2越えの敷地に約80社のスタートアップと、約20社のVCや大手企業が入居した「モビリティ市場」でもある。出来てまだ1年経ったばかりのThe Driveryだが、日産やヒュンダイもアクセラレーションプログラムを行っている。ハードウェアはもちろん車も改造できるガレージと、NVIDIAのスーパーコンピューターも備えたThe Driveryは、ハード系からAIトレーニングまで、モビリティスタートアップ全てのニーズを満たすワンストップエコシステムだ。

Photo credit: The Drivery

プログラム概要
応募受付: 時期を問わず受付。
ステージ: 特に無し。
アウォード: エクイティ無し。2ヶ月間の間、コワーキングスペース、オフィス、施設のコ       ンピューターなどを無料で使用し、企業やVCとネットワーキングできる。
プログラム詳細: https://thedrivery.com/

APX by Axel Springer and Porsche

Plug & Playのノウハウをもとに、ドイツ最大の出版コングロマリットApexl Springerとポルシェが共同で設立したアクセラレーター。質の高いメンターやエキスパートとのスパーリングで鍛え上げ、終了時にさらなる投資を得ることができる状態にまで成長することが目的だ。デジタル系でカスタマーセントリックなサービス開発に取り組むスタートアップ限定のプログラム。日本から応募できるが、アクセラレーション期間中はベルリンに滞在する必要がある。

Photo credit: APX

プログラム概要
応募受付: 時期を問わず受付。
ステージ: アーリーステージ。
アクセラレーション期間: スタートから100日間。
アウォード: €50,000の投資で5%のエクティ。期間中4人までオフィススーペース利用。プログラム詳細: https://apx.ac/program

ベルリンでスタートし、グローバルを目指す

ベルリンは、ヨーロッパのスタートアップエコシステムの中で1番のグローバルリーチを誇る(Startup Genomeより)。登記やVISAのサポートも充実しており、投資家やメンター陣も世界各国から来ている。グローバルでの成功を目指すスタートアップは、「まずはベルリン」を目指すのも得策と言える。


©️JETRO このレポートはCROSSBIEが日本貿易機構(JETRO)向けに作成したものを、許可を得て掲載しています。元のリンクはこちらから。

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